PCGとHoudiniはどちらを学ぶべき?ゲーム業界での使い分けを解説

執筆: Creator World

前回、Unreal EngineのPCG(Procedural Content Generation)について解説しました。次に出てくる疑問はほぼこれです。 「PCGとHoudiniって、結局どっちを学べばいいの?」 実はこの2つは、競合関係ではなく役割の違う技術です。

*まず結論

PCGとHoudiniは「どちらかを選ぶ」ものではなく、「役割が違うため両方使い分けるもの」です。

ただし、学習の優先順位はあります。

結論を先に言うと;

・初心者・レベルデザイン志向 → PCGから

・VFX・テクニカル志向 → Houdiniから

・最強ルート → 両方です。

*そもそも役割が違う

ここを理解すると一気にスッキリします。

PCG(Unreal Engine)

PCGは、ゲームエンジンの中で世界を組み立てるための仕組みです。

できることは主に↓

・森を作る

・岩場を生成する

・街や地形に配置ルールを作る

・レベル全体の自動生成

つまり、「ゲームの中の世界を作るためのツール」

Houdini

Houdiniは、プロシージャル表現を極限まで突き詰めるDCCツールです。

できることは↓

・爆発・破壊などのVFX生成

・高度な地形生成

・建築・構造物の自動生成

・メッシュ生成・変形

・シミュレーション全般

つまり、「素材そのものを作るためのツール」

*例えるとこうなる

Houdini=工場(鉄・木材・部品を作る場所)

PCG=組み立てライン(工場で作った部品を使って製品を組み立てる場所)

つまり、Houdini → 素材生成・PCG → 世界構築、この関係です。

*ゲーム開発の実際のワークフロー

現場ではこうなっています。

・Houdiniで木・岩・構造物を生成

・Unreal Engineへ持ち込む

・PCGで配置ルールを作る

・レベル全体を自動生成

つまり、「Houdiniで作って、PCGで並べる」という流れです。

*どちらを先に学ぶべきか?

これは目的で変わります。

PCGから学ぶべき人

・レベルデザイナー志望

・背景アーティスト

・ゲームエンジン中心で学びたい人

・まず「ゲーム世界を作りたい」人

【理由】→Unreal Engine内で完結するため、成果が早い

Houdiniから学ぶべき人

・VFXアーティスト志望

・テクニカルアーティスト志望

・シミュレーションに興味がある人

・プログラミング思考が強い人

【理由】→プロシージャルの本質を最も深く理解できる

*よくある誤解

・HoudiniをやればPCGはいらない →間違いです

・PCGだけで全部できる →これも違います

実際は;

・Houdini=高度な生成

・PCG=ゲーム内統合

という補完関係です。

*なぜ両方必要になるのか?

理由はシンプル。ゲーム開発は「作る技術」、「並べる技術」、「調整する技術」が全部必要だからです。

Houdiniだけでは世界は完成しませんし、PCGだけでは素材の自由度が足りません。

*将来のゲーム開発

今後の傾向;

・手作業で配置する時代 → 終了

・スクリプトで配置する時代 → 主流

・AI+PCG+Houdiniの統合時代 → これから

つまり、「作る」から「設計する」へゲーム開発は完全にシフトしていくでしょう。

*まとめ

PCGとHoudiniは競争関係ではなく、役割が違う技術です。

・Houdini=素材を作る

・PCG=世界を組み立てる

そして、ゲーム業界では、この2つを組み合わせて使うのが一般的になっています。

どちらを学ぶか迷っている場合は、「どんなゲーム開発者になりたいか」から逆算するのが一番正しい選び方です。

Creator Worldでは、こうしたゲーム開発の技術を、専門知識がない人でも理解できるように解説していきたいと思います。次回は「PCG Graphとは何か?」や「実際のUnreal Engine内の構造」についても解説していきます。

※本記事には、現在公開されている情報やゲーム業界の動向をもとにしたCreator Worldの見解や考察が含まれています。今後の技術や市場の変化によって、状況や見通しが変わる可能性があります。